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時は何度目かの世界大戦後。戦争による傷跡が、漸う癒えはじめたころのイギリス。とある地方の郊外に、古めかしい神学校が存在していた。 学生達は時代を帯びた修道院を学舎に、祈りと学びの日々を送っている。その中でもひときわ優秀で敬虔な学生、マイケル・レヴィ。 牧師の家庭に生まれ、教会を遊び場として育ち、自らも父と同じく神の僕として生きることを何ら疑わなかった少年。 しかし、生誕祭の夜、悲劇が彼を襲う。息せき切って帰郷した彼の眼前で、黒焦げの骸と化していた、父と母と妹。 そして、家族の焼死という残酷な事実は、これまで呼吸するよりも自然だった神への賛美を呪詛に変え、彼を復讐に燃える怒りの塊へと変貌させてゆく。 聖夜、家族を奪い去ったのは何者なのか。そして、焼け落ちる寸前の壁にマイケルが視た、あの忌まわしい刻印は……。 やがて見え隠れする、悪魔崇拝の秘密結社。天使の名を持つ少年は、真実という禁忌に足を踏み入れてゆく――。











