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私・鹿島岳男は、娘の部屋の前で呆然となっていた。 細く開けた扉の隙間から見える光景が、私の精神を激しく打ちのめしたのだ。 「んっ……んんぅぅ……んうぅ……んはあぁぁ……」 娘の真里子が自慰をしているのだ。 最近は娘との関係がぎくしゃくしていて、頭を悩ませていたのだが……。 (まさかこんなことを……あの男のせいかっ!) 昼間、娘は男を連れてきた。 一緒に勉強するなどと言ってはいたが、どこまで本当だか。 (あの男、娘に何をしたっ? 何をしようとしていたっ?) 娘が連れてきた男への憤りがこみ上げてくる。 (以前は、『パパ、パパ』と甘えてきたのに……) 娘には、惜しみなく愛情を注ぎ込んできたつもりだ。それなのに――。 (どうせ、他の男に盗られるくらいなら……) 思えば、酒のせいもあったのかもしれない。 私は、娘の部屋のドアをもう少し開けて、這うようにしながら中へ忍び込んだ。 幸い、自慰に夢中の娘は気づいていない。 私は娘の足元まで這い寄り、真里子の――





